大澤光民とは

現在、人間国宝として富山県内で活躍する唯一の作家

作業風景 2005年に鋳金の重要無形文化財保持者(いわゆる人間国宝)に認定された大澤光民氏(1941~)は、今年、傘寿を迎えます。大澤氏は高岡の伝統的な焼型鋳造技法に習熟し、独自に考案した「鋳ぐるみ」技法によって鋳金の世界に新たな加飾表現を展開しました。その作風は、現代的で洗練された美しさを持ちながら、偶然性がもたらす模様によって有機的な温かさをあわせ持っています。
本展では若き日の作品も含め、宇宙や生命の根源など、壮大で人間愛あふれるメッセージが込められた多彩な作品を展観します。また、高岡の伝統・文化や産業に対する熱い想いにも触れていただきます。さらに、大澤氏の新たな創作への挑戦もご覧いただけるかもしれません。どうぞお楽しみに!
1941年(昭和16)高岡市下伏間江に生まれる(本名・幸勝)
1958年(昭和33)富山県立職業補導所銅器科卒業、越井銅器製作所にて就業(~昭和44年)
1968年(昭和43)高岡市特産産業技術者養成スクール(現 高岡市伝統工芸産業人材養成スクール)第1期生、6年間学ぶ
1969年(昭和44)独立して大澤美術鋳造所を創立
1977年(昭和52)通商産業(現・経済産業)大臣「伝統工芸士(銅器焼型鋳造部門)」認定
1980年(昭和55)鋳ぐるみ鋳造技法を考案
1983年(昭和58)日本工芸会正会員
1995年(平成7)高岡市伝統工芸産業技術保持者認定
2004年(平成16)卓越技能賞「現代の名工」表彰
2005年(平成17)重要無形文化財「鋳金」保持者認定
2008年(平成20)高岡地域文化財等修理協会会長に就任
2013年(平成25)平成の御車山制作監修(平成30年完成)
※日本伝統工芸展をはじめ日展、県展など入賞受賞多数、表彰多数

人間国宝(重要無形文化財保持者)とは

国が文化財保護法という法律にもとづき、日本の工芸や演劇、音楽などの中から歴史的または芸術的に価値が高い「わざ」を未来に受け継ぐために、その「わざ」を持つ人や集団を「保持者」や「保持団体」として認定する制度です。個人の保持者は一般に人間国宝と呼ばれており、工芸技術における人間国宝は平成30年度時点で57名を数えます。
(統計は、文化庁パンフレット「人が伝える伝統の「わざ」重要無形文化財 ~その「わざ」を保持する人々~」より)

大澤氏が1980年に独自に考案した、金属の鋳造技法です

鋳型にあらかじめステンレス線や銅線などの金属線を釘で固定し、溶けた金属を注ぎ込みます。伝統的な技法である「焼型鋳造」で鋳型を焼き上げるときに、打ち付けた金属線が動いたり膨張したり金属の種類によって地金に溶け込んだりするため、象嵌とは違った偶然の味わいをもつ文様を創り出します。長年にわたる焼型鋳造の経験により、金属のことを熟知し技術を磨いた大澤氏の「鋳ぐるみ」は、鋳金の技と表現に新しい展開をもたらしたのです。

鋳型に金属線を釘で固定しているところ

Information

開館時間9:30-17:00(入館は16:30まで)
休館日月曜日 ※ただし9月21日(月・祝)、9月22日(火・祝)は開館、9月23日(水)は休館
観覧料一般 1000円(前売・団体・シニア800円)/高校・大学生 500円(団体400円)/中学生以下無料
◆団体割引は20名以上[分散入場をお願いすることがあります]、シニア割引は65歳以上。
◆身体障がい者・精神障がい者保健福祉・療育など各種手帳をお持ちの方および付き添いの方(1名)は観覧料が半額です。
手帳をご持参ください。
前売券販売所高岡市生涯学習センター(ウイング・ウイング高岡3F)・アーツナビ(高岡文化ホール、新川文化ホール、富山県教育文化会館、富山県民会館)・チケットぴあ(Pコード685-359)・ローソンチケット(Lコード52421)・北日本新聞社(本社1Fプレイガイド)・富山大和・画材たんぽぽ(砺波店、高岡店)・高岡市美術館ミュージアムショップなど
主催大澤光民の世界展実行委員会〔高岡市美術館(公益財団法人高岡市民文化振興事業団)、チューリップテレビ〕
共催高岡市、高岡市教育委員会、北日本新聞社
後援富山県、富山県教育委員会、公益社団法人日本工芸会、伝統工芸高岡銅器振興協同組合
協力公益財団法人高岡地域地場産業センター
協賛三協立山株式会社、株式会社インテック、株式会社北陸銀行、株式会社富山育英センター、株式会社ケンケン(順不同)
※新型コロナウイルス感染防止対策を行いながらの開催になります。開催状況や防止対策については、あらかじめ当館ホームページでご確認いただくか、お問合せのうえご来館くださいますようお願い申し上げます。

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